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景気が悪い時期には、金利は一般的には低下するが、財政のビルトインスタビライザー効果(税収が減少する一方で、失業保険などの歳出が増加し、自動的に景気悪化の歯止めとなる)が効いて財政は悪化する。 景気のいい時はその逆である。
つまり、政府債務残高と長期金利は全くと言っていいくらい相関性はない。 むしろ、逆である。
同様に、ドルが下落すると、一般論としては、米国のインフレ率が上昇するような気がする。 ドル下落が原因でインフレ率が上昇したことは、過去一度もない。
ドル実効為替相場ある。 一方で、ドル実効為替相場下落率下位5年はマイナス8.6%であり、インフレ率は同2.9%である。
つまり、むしろ、ドルが下落した年のインフレ率が低い。 為替相場と物価の低相関の最大の理由は、米国消費者物価指数構成比にある。
米国消費者物価指数の17・7%はサービスであり、最大項目は家賃(構成比05・3%)である。 3.9%を占める電力、ガスなど一部を除き、医療も、教育も、輸入物価の影響をほとんど受けない。
しかも、輸入構成比の高い家電、パソコンなどの耐久消費財は、通常、毎年価格が下落する。 自動車、アパレル、おもちゃなどの雑貨は競争が激しく、価格は安定している。
ある。 長期金利が低下する時は例外なく財政収支は悪化している。

長期金利が上昇する時は例外なく財政収支は改善している。 GDPに占める輸入の構成比は17%にとどまる。
そもそも、ドルが下落したら、その分を価格に転嫁できるような経済状況ではない。 ちなみに、現在、米国の輸出は相対的に好調であり、経常収支は大幅に改善する見込みである。
対GDP経常赤字は、最悪期(17年以降)は05年の6.0%であったが、17年には2.6赤字とドルには明確な関係は見られない。 「財政赤字と経常赤字の双子の赤字増大により、ドルが急落する」という懸念も存在する。
これは17年代にレーガン政権において、言われたことである。 レーガン大統領(在任別?27年)は、「レーガノミクス」と呼ばれる経済再建計画を推進した。
財政支出の大幅削減、多年度にわたる大幅減税、政府規制の緩和、安定的な金融政策、という4本柱からなる。 財政支出削減が政策の柱に掲げられたが、冷戦構造を背景に国防予算の支出を増加させ、財政赤字は増大した。
当時、巨額な貿易赤字と並んで、双子の赤字と呼ばれた。 財政赤字が増大すると、その分、需要が増加し、輸入が増加し、経常赤字が増加することがある。
経常赤字が増加すると、ドルが下落するというロジックである。 財政赤字増、経常赤字増←ドル安である。

ところが、実際には、財政赤字とドルは関連性が低い。 つまり、ドルの実質実効為替相場は、05年のピークから例年のボトムまで17・3%下落しているが、対GDP比財政赤字は別年がマイナス4.8%、例年がマイナス4.5%とほぼ同水準であった。
そもそも、財政赤字とドルには直接的な関係はない。 現在は、財政赤字増、経常赤字減であるので、「財政赤字増、経常赤字増←ドル安」には該当しない。
このように、「財政赤字急増←ドル下落←米国長期金利上昇←米国景気悪化」というシナリオは、単なる先入観に過ぎないのかもしれない。 もちろん、過去、起きていないから、未来永劫、起きないとは言えない。
加えて、米国の財政赤字が急増することも確実であろう。 それにより、長期金利上昇、ドル下落、インフレ率上昇が発生する可能性は、今のところ、低いと考える。
米国の景気を分析する上で、家計部門の負債、米連邦準備制度(FRB)のバランスシートに対する懸念が議論される。 そこで、日米比較を中心に、家計部門、中央銀行、そして中央銀行とともに金融システム維持の責任を持つ連邦預金保険公社(FDIC)のバランスしばしば、米国の個人はクレジットカードを使って過剰消費をしていると言われる。
実際には、消費者向け信用残高は2.6兆ドル(約260兆円)と、家計部門の総資産の3.6%しかない。 米国商業銀行の貸出残高の増加率は前年同月比5.7%増(03年9月)である。
米国商業銀行の貸出残高の17・9%を占める不動産関連の貸出は、同5.9%の伸び率となっているが、やはり住宅関連ローンの伸びが鈍化している。 しばしば、「信用収縮によって、個人の借金が減少し、個人消費の低迷につながった」という意見があるが、消費者向けローン(構成比17.3%)は同8.9%増と、ほぼ一貫して増加している。
次に、FRBの資産膨張を懸念する見方もある。 政府の独立機関であるものの、FRB、FDICも、金融危機脱却に向け、財務省と連携し、さまざまな支援を行っている。

FRBは連邦政府の独立機関であり、自主財源により運営されている。 予算・決算については、議会に年に1度報告する義務がある。
その他に、週に1度、全連邦準備銀行の連結貸借対照表を開示しFRBの資産は、03年末現在で、2.3兆ドル(約230兆円)であり、日銀の保有資産1もある。 米国の家計部門の自己資本比率は、若干低下したとはいえ、刃・5%と高23兆円を上回る。
FRBは、SOMAを通じて、国債を市場で売買し、公開市場操作を行っている。 03年に入って、短期国債を売却し、資金供給オペを増加したため、FRB保有の短期国債が大幅に減少している。
安全資産の減少により、FRBの保有資産の劣化が指摘されている。 一方で、貸出も増加させている。
具体的には、銀行への期間物貸出(TAE、窓口での公定歩合貸出、証券会社向けなどである。 FRBの総資産対名目GDP比率は、概ね6〜7%台で推移していたが、03年末は17・6%9月の破綻を契機に、1.4兆ドルも増加している。
それでも、日本と比較すると、その水準はかなり低い。 総資産対名目GDP比率は、日本銀行は03年末で型%であり、ピーク時には90負債の内訳を見ると、FRBへの預金残高が増加している。
緊急経済安定化法により、FRBが準備預金に金利を付与することが可能となったため、金融機関からの預金残高が増加した。 さらに、FRBからの依頼を受け、財務省は03年9月から、補完的プログラムとして、米国債勘定で4041億ドル(約仙兆円)に達している。
FRBだけではなく、FDICの役割も大きい。 FDICは、05年銀行法により、ルーズベルト大統領の時代に、預金者保護を目的として設立された。

FDICの業務は主に、銀行の監督・検査、預金者保護、銀行の経営破たん処理、に分けられる。 連邦政府の独立機関として、5人の理事会が運営している。
運営は原則、自主財源で、保有している国債の利子と預金保険料が主な収入源となっている。 ただし、03年10月の緊急経済安定化法により、預金保護の上限が10万ドルから17万ドルに引き上げられ、その分の財源は政府負担となった。
17年末までの時限措置である。 現在、FDICには商業銀行、貯蓄金融機関が加盟しており、その数は07年9月末現在で8394行である。
04年末現在で、DIF(預金保険基金)の資産は530億ドルであり、うち466億ドルは国債で保有している。 基金残高は524億ドルで、保護預金に対する基金残高の比率(リザーブレシオ)は1.7%となっている。

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